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パッション(2004) - 夢の中さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 パッション(2004)
レビュワー 夢の中さん
点数 4点
投稿日時 2004-06-29 01:20:37
変更日時 2004-07-01 03:41:26
レビュー内容
私は無宗教だが、啓蒙思想が宗教を愚かとする考えには反対である。

世界の人々の信仰の意味をできる限り理解したいし、敬意を払いたいと思っている。
キリスト教であれ思想哲学なんであれ、賞賛すべき事は、
普遍的な道徳心を社会に提供し、それが何世紀にも渡って文化を築いたという
事実だと思う。
ニーチェは神の名の元に善意的な思考をすることは、負け組みの正当化に過ぎないとしたが、
善意的な思考を正しいと信じてくれる社会が存在することは心救われる気持ちになる。


私はキリストが拷問される姿を観て嘆き悲しむマリアの姿に心打たれた。
キリストが拷問される姿には恐怖は感じても悲しみは湧かなかった。
しかしクリスチャンの方だろうか、すすり泣いている方がいた。
この差が宗教なのだろうか。

しかし考えてみたら、幼い頃からクリスチャンの方は
週一のお祈りでキリストに会っている。
私とキリストに対する親しみと愛が違う。

表現が悪いと思われるだろうが、もし、このキリストが
ドラえもんだったら、私はドラえもんが拷問される姿に泣くと思う。
ドラえもんが拷問される姿に泣くのび太に泣き、しずかちゃんに泣き、
裏切るスネオに泣き、あの人を知らないと叫ぶジャイアンに泣くだろう。

不謹慎な例だと思われるだろうが、幼い頃から親しんでいる
一種偶像としてドラえもんは私にとって神聖な存在であるらしい。
もちろん実際に会ったことがあるわけではない。

毎週のびたに説明するドラえもんの小言。説明。思考。
完全とはいえないが、のびたにより良くなってもらおうという愛がある。
聖書もこれに似ている。
ようは話を聞く側は、話しての愛をどう受け止めるかなのだ。
正しい間違っているはたいした問題ではない。


さて、ところで、パッションを観て癒されたという人もいたらしいが、
それは何故なんだろうか。
こればかりはドラえもんではわからない。
ドラえもんが生き返った映像があっても私はそれは気休めにしか思えない。
この先はそれこそキリスト教の世界なのかな?
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