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タイトル名 |
ジャイアンツ |
レビュワー |
anemoneさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2003-12-03 01:44:14 |
変更日時 |
2003-12-03 01:44:14 |
レビュー内容 |
伝説のスター、ジェームス・ディーンの遺作として余りにも有名な作品だが、個人的には初の本格的映画として評価したい。この作品で見せたジェームス・ディーンの素晴らしい演技力は、単なるアイドルにとどまらず、彼が無限の可能性を秘めた演技者であったことをうかがわせるには充分である。正直なところ、この人がこの若さで急逝しなければ、あの人やこの人や、何人もの「大物」が現在の地位を保っていたかどうかは怪しい。死ぬことによって伝説となったスターは多いが、死ななくても伝説となり得たのではないかと想像できる数少ないスターである。アメリカン・ドリームの体現者として富を掴んだ貧しい牧童は、ついにその人生で手に入れることのできなかった愛だけをいつまでも望み続ける。努力や勇気こそが報われる道であると説き続けて来たアメリカの正論を、踏みにじるのがこの映画だ。愛こそが人生で手に入る唯一にして最高のものであるという少々使い古された感はあるが、富や名声だけが人を幸福にするわけではないと歌ったこの作品の精神はやがて次なる世代のアメリカン・ニューシネマに受け継がれて行くことになる。ジェームス・ディーンの前にジェームス・ディーンはなく、ジェームス・ディーンの後にもまたジェームス・ディーンはいない。どんな役者も成し得なかったこの小柄で貧相な演技者の足跡として、忘れることのできない作品である。 |
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