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タイトル名 |
エイリアン |
レビュワー |
anemoneさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2003-12-08 23:03:19 |
変更日時 |
2003-12-08 23:03:19 |
レビュー内容 |
「スター・ウォーズ」を皮切りに、空前のスペースオペラブームに沸いた70年代末期。アメリカはベトナム戦争とJFK暗殺の暗い時代からようやく脱却し、人々が未来への夢と希望に溢れていたこの時代、「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない」という名コピーと共に、突如夢と希望の空間を隔絶された恐怖の密室へ転換させてしまったのがこの作品である。いきなり人々の憧れに「NO」をつきつけたのも新しければ、それまで難関をくぐり抜けた一握りのエリートたちばかりだったはずの宇宙船の乗組員が、貨物船に乗り組む肉体労働者たちという宇宙を労働の場とするブルーカラーに設定したのも新しい。これってアレですよね、現代ならさしずめマグロの遠洋漁船に乗り組んでる人たちみたいなやつですよね。元々がそういう連中だから、宇宙で発見した異質な生命体に科学者ほどの危機感を持たない。「なんだこれ~」と軽いノリで、ちょっと調べてみちゃったりする。この安直さがやがては宇宙船ノストロモ号を壊滅の危機に追い込んで行くワケだが、ジョン・ハートやイアン・ホルム、ハリー・ディーン・スタントンやベロニカ・カートライトなど、渋めのバイプレイヤーを集めながらも、始まった時点では誰が助かりそうなキャラで誰が真っ先に死にそうなのか全然読めないところもミソ。集団ホラーにありがちな「主人公は絶対死なないの法則」を適用させないようにしたことで、オチが皆目予想できなくなった。H.G.ギーガーのグロテスクな世界観の中で、絶対に殺すことのできない超完全生物エイリアンと丸腰のブルーカラーたちの壮絶な戦いは、他をの追随を許さない圧倒的な存在感で映画史上に燦然と輝き続ける。 |
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