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タイトル名 |
犬神家の一族(2006) |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-12-16 14:20:09 |
変更日時 |
2006-12-16 14:20:09 |
レビュー内容 |
映画が始まり、藤司純子の松子が口を開いたとたん、思わずそれに合わせて「お父様、ご遺言を。みな、お父様のご遺言を・・・」と口をパクパクさせてました。それくらい前作は私の中に染み付いている映画ですし、そしてこの映画は前作との違いは殆どないという作品。もはや、役者以外はどこが違うのかの間違い探し状態。前作をよーく知っている人間にとってこれは、リメイクと言うよりもオリジナルのちょっと音痴な模作って感覚になってしまうんですよね。何が音痴か、と言えばやはり役者さん。それぞれの役者さんは悪くないんです。存在感は見事です。だけど発声、声と声の応酬によって高まってゆく場面、それがとても弱いかな、と。前作では役者さんが皆、パキッ!とした声を出していたのですが、今回は全体的にアンバランスなトーンでコンビネーションがいまひとつ、みたいな。それから、映像派の市川監督にしては、構図が全編やや頭づまりに感じたのが「あれ?」と。前作の東宝ワイド(1:1.5の特殊サイズ)に対して今回はビスタサイズ(1:1.85)でしたが、実は今作も東宝ワイドを前提とした撮影がされてるような事はありません? 前シリーズは東宝ワイドに非対応な劇場ではスタンダードサイズ(1:1.33)で映写できるよう撮影されていたのですが、今回は無理に上下切ってないですかねぇ? あとせっかく新作なのだから、前作で省略された湖から下半身が突き出している理由とか、お琴の師匠の正体とかを見せて欲しかったですし、笑いを取るシーンも前作と同じではなく新しいネタを仕込んで欲しかったです。とは言え、今の日本映画でこれだけちゃんと撮影されている映画ってなかなか見られないですし、なんと言っても極太明朝のカクカクっとしたクレジット見ただけで涙出てくる身としては、素直にこうして新作として見られて嬉しかったです。唯一前作と全く異なるラストシーンなんか、ただそれだけで嬉しかったですしね。 |
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