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タイトル名 |
くちびるに歌を |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2015-02-19 23:04:44 |
変更日時 |
2015-02-19 23:04:44 |
レビュー内容 |
脚本はちょっと音痴な気もします。 原作由来なのかもしれませんが、色々とドラマを盛り込み過ぎ。特に先生がピアノを弾けなくなる原因となった過去のエピソードは定番過ぎちゃってて。この監督の過去作品にも同じネタが登場してますし。 女子生徒のモノローグで始まりながら先生のモノローグで終わるという構成もツッコミどころ。
だけど、今の日本の風景の美しさを切り取り、ドラマの中に生かしてみせる三木監督の手腕がここでも存分に発揮されています。青い海、五島列島の美しい島影、人々の暮らす家並み、そこで生きる中学生達の生が、その風景の中に溶け込んで。 海、船、汽笛、風といったキーワードとなる要素が元となった『手紙~拝啓 十五の君へ~』という歌の持つイメージを大切にしていて。 そしてもちろん、十五歳なりの苦悩、切ないドラマがあって。
キャラ的には、ずっとご機嫌ななめ状態のガッキーも良かったのですが、何と言ってもソプラノの少年、彼が全部持っていっちゃったような感じで。彼のあどけなさと彼が抱えたものの重さとのギャップに胸が痛く、ずっと彼を中心に映画を見ていました。
これまで何度か「今の日本の風景を捉えた青春映画」が大切、ってレビューに書いてきましたが、三木監督は今、最もその理想を表現している監督だと思います。 「今」から「明日」へと向かって進む道を示したこの映画、監督の真骨頂が発揮された作品でした。 |
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