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タイトル名 |
十二人の死にたい子どもたち |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2019-02-06 19:55:58 |
変更日時 |
2019-02-06 19:55:58 |
レビュー内容 |
堤幸彦監督の映画、バカバカしいハイテンションっぷりで大体どれも嫌いなんだけど、残念ながら?この映画はかなり堪能してしまったわ。
この映画で重要なのは自殺志願者は12人なハズなのに何故か13人目の死体があって、一体それは誰でどうしてそこにあるの?ってミステリー部分、ではなくて。 大切なのは12人それぞれ、どうして死にたいの?という点。そこに思いっきりキモチを向けて見ていたので1つ1つが沁みたわ。 もちろん、中にはそんな理由で死にたいの?っていうのもあって。後追いとか、当てつけとか、操り人形みたいな立場からの離脱とか。でも、それをバカバカしいって片付けられる? 実際にそういう理由で死んでゆく人達が存在しているのもまた事実なのだから。 それぞれの痛みに向き合って、まるで感情のアトラクションムービーの如く翻弄されて。
死にたい理由を見てゆくと、例外もあるけれど、多くが「大人がダメであるがゆえの若者の絶望」に繋がっているのね。親が原因で死のうとするコ達が何人もいて。そこからは子供に対する親の無責任、大人の無責任が見えてくるのね。若者を死なせてしまう社会、世界。それが正しい訳はなくて。そこに想いを向けてこその映画ね。
『人魚の眠る家』と同様にドローンを嬉々として使ってまーす、って状態を始めとして、堤演出は必ずしも正解とは言えないし、ドラマの浅いキャラ、もっと詳細に描いて欲しかったドラマもいっぱいあって、それは不満ではあるのだけど、でもまとまり方としてはこんなカンジでいいのかな。もっとドロドロ重厚で長尺で、なんてモノが必要だとも思えないし。
杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、黒島結奈、高杉真宙の若手ながら経験豊富な5人が映画を支えて、個性的な7人(+1人)が彩るカタチで、若い人達だけで見応えのある作品世界を創造していると思ったわ。 個人的にはゴスロリ少女な古川琴音に魅かれたわ。彼女に対して「あなたは何故死にたいの?」って思ったところから映画にキモチが入っていったようなカンジで。一方、橋本環奈嬢はもう少し撮り様があったんじゃない? 「1000年に一人の美少女」の撮り方としてはあまりに雑ね。
大切にしないといけないコトを茶化すことなく描いたという点で今回は安心したわ。 |
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