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タイトル名 |
TENET テネット |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2020-09-19 22:45:49 |
変更日時 |
2020-09-19 22:48:11 |
レビュー内容 |
ノーランって映像で説明するの、下手じゃない?
クライマックス、何やってんのかちっとも伝わってこないのは難解なんじゃなくてヘタクソだからだと思うのよ。爆発までの間にブツを奪還しましょう、ってのはさ、順行組と逆行組とで論理的に説明可能だと思うのよ。でもグチャグチャ。ブツを手に入れるシークエンスなんか、アレ、ちゃんと流れ判った? パラドックス関係なんか、もうメチャクチャよ、あれ。「細かいコトは気にすんな」って状態。 大体、物語を伝えるのは映像以外の部分に頼りまくってるでしょ。大量の、それこそ喋り続け状態なセリフの応酬と不安を煽るやかましい音楽で説明してます、って状態。映像はひたすらハデな、これ見よがしな部分にばかり注力されてるワケで。
で、コレ、200億円とかかけて2時間半に渡って見せられるDV映画ってのがアタシの抱いた印象なのね。いかにDV野郎を退治するか、ってハナシ。そこに監督好みのセカイ系だのSFだのドンパチだの盛り込んでみせました、そんだけ。 だけどアタシにはあのDV野郎が監督の分身のように思えたわ。作品世界を完全にコントロールしないと気が済まない、ホンモノ使わないと満足しない、世界を支配してこそ、そんな自分の投影。人類の滅亡を描こうとしたら人類を本当に滅亡させないとリアリティ出ないとか、そういうキケンな思考(あるいは志向、または嗜好)を自嘲的に、自戒を込めて映像化してるのかしら?みたいな。 だけどDV映画としては徹底的にドラマがつまんないわ。っていうかキャラがみんなつまんない。誰にも殆どノレないのよ。せめてヒロインがいかに息子を愛しているかくらいは映像として見せて欲しいワケよ。もう全部セリフでの説明で、息子そのものはチラチラと映る程度。それにDV野郎のヒロインに対する現在形の加虐シーンはあっても、それ以前にヒロインが憎悪していた点に関してはやっぱりセリフでの説明に終始するのよね。 お腹の傷はサスペンスの要素になるかと思いきや、水戸黄門の印籠みたいなポジションだし、DV野郎が手に入れた自殺カプセルは意味を成さなかったし、あちこち隙間がスカスカしてるわ。
ハデな映像と大量のセリフとやかましい音楽とSEが緩急なく連なった2時間半、それはノーランの強迫観念の発露みたいなものなんじゃないかしら。
あと、日本でたった2カ所なIMAX GTテクノロジーで見たのだけど全編フルサイズだと思ってたら半分くらいだったわね。ちょっと肩透かし。コレ!って見せ場以外はシーン頭の説明的映像が上下(空と地面、天井と床)広々、っていう、なんとなくカタにハマった不器用な使い方だったのがちょっと微笑ましかったわ。 |
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