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タイトル名 |
バービー(2023) |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2023-09-05 15:45:55 |
変更日時 |
2023-09-05 15:45:55 |
レビュー内容 |
2回見に行ったのだけれど初回と2回目とで見終わった後の気持ちが全然違っちゃったのよね。
初めて見た時には痛快なコメディだと思ったわ。バービー達の暮らす作り物で固められた世界、目覚めてしまったバービーの揺らぐ自我、散りばめられた映画ネタや自虐的なマテル社いじり、そして明快なフェミニズムとホモソーシャル批判。それはそれは楽しい映画だったハズなのよ。 だけどDJ SODAさんに対する性加害と大量の(本当に大量の)二次加害があった後に2回目を見た時、そこに感じたのは切なさ、辛さだったわ。
この映画に描かれたフェミニズムは単純な基本中の基本、何を今更そんなところを、みたいな感想があるわ。 わざわざ男と女とを分断するかのような描き方をするのは間違ってるって感想があるわ。
だけど今現在のこの世界のこの現実、その基本だって全く尊重できてないワケじゃない。莫迦な男達が平然と莫迦を繰り返して反省もしやしないのが実情でしょ? ホモソーシャルに捉われた、あるいはミソジニー丸出しの、アタマの弱い男達には単純にストレートに批判をぶつけるのが正解じゃないかしら? そしてそれでも判らないであろう現実が切なく、辛いのよね。この映画って実は監督の怒りの発露だわよ。 ついでに言うとホモソーシャルに属さないアランは映画において必ずしも良い存在であると肯定されてるワケじゃないので(逃げようとするでしょ?)自分はどちらかというとケンじゃなくてアラン、って思ってるタイプもちゃんと自分のアタマで考えないとダメよね。
『2001年宇宙の旅』のパロディから始まって監督の差かしら『バビロン』に比べたらマーゴット・ロビーが格段に良かったとかケイト・マッキノン相変わらずステキとか美術デザイン最高とかマテル社の幹部連中が女性活躍社会!とか言ってる日本政府の男どもみたいとか色々と楽しめもしたのだけれど、この現実の中での映画の位置を考えた時にこれは重い重い映画なのではない?ってズーンと来ちゃったわ。 |
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