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タイトル名 |
亡国のイージス |
レビュワー |
トトさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2005-08-02 02:18:43 |
変更日時 |
2005-08-02 02:18:43 |
レビュー内容 |
序盤、大まかな各登場人物の立場が描写されますが、編集が結構乱暴で尻切れトンボで次の人物の描写に移ってしまうため、予備知識がないとかなり混乱します。工作員に乗っ取られたイージス艦「いそかぜ」。これを阻止しようとする艦に「うらかぜ」と紛らわしい。海自の幹部たちも確固たる信念を持って任務にあたったのではないらしく、中盤からは人間関係もドロドロしてきます。アンタ達、そんな大それたことやっちゃったなら最後まで意思を貫徹しなさい!それでも自衛官か!!いろんな点で説明不足の感が否めません。如月と女工作員のキスとその直後の仙石が救助しに来るシーンも唐突でした。この作品全般に言えることですが、「タメ」のシーンがなくていきなり場面が移ります。あのシーンの前には仙石が助けに向かう場面が必要では?そうでないとなぜ仙石がきっちりあの場面で助けに来るのか不思議です。この調子で場面展開が一気に進むところが多々あるので、知らぬ間に事態が変化していきます。ラストの手旗も、一度潜水艦攻撃の際に騙されたにも関わらず、素直にまた信じて攻撃中止という点もいかがかと。つい数分前まで焦って攻撃しようとしていたのに。工作員側も「弾頭は通常にあらず」と宣言しておきながら、実は弾頭には装備しておらずヨンファが手持ちで操っているのは?わざわざイージス艦を占拠しなくても東京のどこかに時限設置しておけば済んだこと・・・。苦言ばっかりになってしまいましたが、役者の演技は納得のものです。とくに真田広之、勝地涼、中井貴一は素晴らしいですね。対策本部の緊張感と憔悴感も良いです。自衛隊全面協力の映像も見応えがあります。それだけに、編集のチグハグや脚本の詰めの甘さが残念でなりません。軍事サスペンスとして努力している点は良いですが、もう少し場面展開のつながりや状況説明を考えてもらいたかったですね。逆を言えば、その甘い点が日本の現状を示唆しているとも捉えられますが、現実的に東京消滅(しかも米軍から盗まれた兵器の実戦使用)が危ぶまれる状態で米軍が黙っているわけはないわけで・・・。リアリティ重視の作品としてはやはり脚本が甘すぎたと思います。これに尽きます。「ザ・ロック」そのままの演出も・・・(笑)。何かと文句ばっかりになってしまいましたが、大作感もあるし久しぶりのサスペンス大作で日本映画界も元気になってきた印象を感じられたのは嬉しかったです。 |
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