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タイトル名 |
ひとり狼 |
レビュワー |
イニシャルKさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-08-08 00:04:31 |
変更日時 |
2016-07-20 18:06:35 |
レビュー内容 |
村上元三がなかなか映画化の許可を出さなかった原作を雷蔵主演で映画化した股旅時代劇。雷蔵の股旅ものはあまり見た記憶がないが、こういうアウトローな役柄を演じていてもピッタリとハマっているし、カッコいい。それに雷蔵念願の企画だけあって、本作の雷蔵がそうとうこの役に入れ込んでいるのが分かり、その演技は素晴らしいの一言で、この前見た「眠狂四郎 女地獄」と同じく雷蔵にとって晩年の主演作だが、本作はその雷蔵晩年の代表作とも言っていいのではないかと思う。映画としても見ごたえじゅうぶんで長門勇演じる渡世人(これがいい味出してる。)の回想形式でストーリーが展開していくという構成がいいし、主人公 伊三蔵の渡世人としての悲しみや孤独がうまく描かれていてドラマ性も高く、作り手の良い映画を作ろうという意気込みがよく感じられる傑作である。前半で渡世人の作法を細かく描いていたのも新鮮だった。(ほかに今まで見た時代劇では市川崑監督の「股旅」くらいしか思い浮かばない。)印象に残るのはやはり伊三蔵が自分の息子と話すシーン、実子を前に父親と名乗ることのできない伊三蔵の辛さには思わず感情移入せざるを得ない。それにラスト、伊三蔵が息子にいう「見ろ!人間の屑のすることを。」というセリフがなんとも切なく、心に残る。 |
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