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タイトル名 |
翔んで埼玉 |
レビュワー |
イニシャルKさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2020-08-29 23:54:29 |
変更日時 |
2022-01-15 19:30:30 |
レビュー内容 |
かなり話題になった映画でちょっと気にもなっていたが、舞台になった地域以外の人は楽しめない云々の評価もあり、見るか否かを迷っていたが、実際見てみるとそこは気にすることなく、思っていた以上に楽しめた。最初から最後までテンションが高く、見ていて非常にバカバカしいのだが、大筋のつくりや出演している俳優たちの演技は総じて真面目であり、それが面白さにつながっているし、バカバカしさの中にも差別や偏見といった社会的なテーマも含んでいると感じる部分もあるように思う。それはともかく、いちばん盛り上がったのはやはり埼玉と千葉の川をはさんだにらみ合い。時代劇の合戦シーンを思わせる雰囲気になっているが、やっていることはそれぞれの出身有名人の写真を出し合うというバカバカしさでそのギャップが面白い。麗(ガクト)が草加せんべいの踏み絵をさせられるシーンも純粋にパロディとして面白く、つい笑ってしまう。ガクトが学生役というのは普通に考えたら違和感があるのだが、これだけぶっ飛んだ設定だからかまったく気にならずに見れたし、逆に見ているうちにだんだんとはまり役のように思えてくる。麗と生徒会長である男子生徒・百美の同性愛も描かれているのだが、百美を演じているのが二階堂ふみというのはさすがに同性愛として見るのは違和感があるのではと思っていたが、原作が昔再放送のアニメをよく見ていた「パタリロ!」と同じ人ということで、マライヒとバンコランを思い出したが、そのおかげかとくに違和感もなく見ることができた。描かれる話をラジオで聞いている狂言回しの家族(ブラザー・トム、麻生久美子、島崎遥香)のやりとりも面白く、またこのパートがあることによってこの話をこの家族と一緒に客観視できるつくりになっているが、この三人のなかでぱるる演じる娘が最後のほうまで結納に間に合うことだけを考えているのは製作側も映画で描かれる話がどうでもいいようなことだと分かっていたんだろうと思う。その家族の最後の会話を見ていて、自分自身にとって春日部、いや埼玉といえば「クレヨンしんちゃん」のイメージがあまりにも強いことに気づかされた。テレビドラマチックな映画で、とくに映画的な何かがあるわけではないが、最初にも書いたようにじゅうぶん楽しめたし、純粋に面白かったと思える映画だった。それからエンドロールのはなわの歌も映画の内容にストレートに合わせた曲になっていて、そこまできっちり楽しめる仕様なのも良い。なにか久しぶりに「映画はエンドロールまでが本編」というのを実感した気がする。 |
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