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忠臣蔵外伝 四谷怪談 - イニシャルKさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 忠臣蔵外伝 四谷怪談
レビュワー イニシャルKさん
点数 7点
投稿日時 2005-03-17 16:19:17
変更日時 2024-10-14 18:15:31
レビュー内容
深作欣二監督が晩年に手がけた忠臣蔵と四谷怪談のコラボ映画。昔、忠臣蔵好きな父親とテレビで見た初めての深作監督の映画だったのだが、25年ぶりくらいに再見。歌舞伎公演で昼夜に分けて忠臣蔵と四谷怪談を上演していたというところから発想したというが、この二つを混ぜるとごちゃごちゃしてどっちつかずになりそうなところをそうはなっておらずに両方しっかりと辻褄が合うように描かれていて、分かりにくいということはなく、主人公である民谷伊右衛門(佐藤浩市)を赤穂浪士に設定することで、討ち入りに参加できなかった浪士の物語としても面白く見られるつくりになっているのが良いし、深作監督の忠臣蔵といえば「赤穂城断絶」があるのだが、忠臣蔵映画として真っ当な作品になっていたそれを見た後になって見てみるといかにも深作監督らしい映画になっていてリベンジを果たすが如く好き放題にやっている感じなのがまた良い。手首が斬り落とされたり、首が飛んだりするバイオレンス描写や、大量の血が噴射されるシーンも深作監督らしいところだと思うのだが、ここまでやっている本作が東映でなく、松竹の映画だということにも今になって見ると驚かされるし、特にお岩(高岡早紀)が娼婦という設定で、乳首をさらけ出すシーンもあるのは深作監督ということもあり、つい東映っぽさを感じてしまう部分ではある。お梅(荻野目慶子)をはじめとした白塗りの三人がいかにもホラー映画のような佇まいなのは見ていてなんか笑ってしまうのだが、かなりのインパクトがあり、とても強烈。でも、演出としては分かりやすすぎて狙い過ぎの感があったのはちょっと残念。「赤穂城断絶」で浪士のひとりである橋本を演じていたのが印象に残っている近藤正臣が本作にも伊右衛門の父親役で出演しているのは嬉しいが、考えてみれば本作の伊右衛門は「赤穂城断絶」での橋本のようなポジションなのが気が利いていてニクイ。討ち入りに幽霊となったお岩が参加して特殊能力で吉良家の家臣たちを圧倒するのは特撮映画のようだが、それもやはり本作だからできることだ。その直後のラストの討ち入りを終えた四十七士に幽霊となった伊右衛門が奏でる琵琶の音だけが聞こえているというのがしんみりしていて、討ち入りシーンとのギャップは激しいが、ここがけっこう良かった。評価の分かれる映画かもしれないが、やはり個人的には好きとまではいかなくても、決して嫌いではない映画だ。(2024年9月15日更新)
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投稿日付邦題コメント平均点
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