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タイトル名 |
ゆきゆきて、神軍 |
レビュワー |
しったか偽善者さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2004-10-28 00:49:06 |
変更日時 |
2004-11-05 21:46:55 |
レビュー内容 |
最近のドキュメンタリーブームとやらに便乗して本作品をレビュー。私は本作を学生時代に、奥崎のことを書いた小中陽太郎(今風にいえばサヨですかね、この人)のルポを読んで知りました。映画を観たときは、凄えなぁ・・と驚きました。最近、「華氏911」を好きだ、と恥ずかしい自己満足レビューをしましたが、私がムーアを嫌いじゃないのは彼が著書でこの映画を観るべきドキュメンタリー作品として挙げていることも理由の一つです。この映画も熱いといえば熱い。かたくなに証言拒否していた人も、奥崎から病身に対するひどい暴力を受け、ついには口を開きます(結局多くは語らない)。迫力あるやり取りがナマで現実にカメラの前で繰り広げられます。よくできた話に奥崎が誘導しているかのようです。彼の資質にも助けられて、この映画は取材力というか事実に迫ろうとする熱いパワーが凄い。それでいて本作には、所詮真実藪の中ということを常に忘れさせないぶっちゃけた落ち着きというか冷静さが感じられるのです。人にはそれぞれ言い分があり、みんな自分が可愛くてしょうがないということが痛いほど判ります。オンリーワン(?)の傑作ドキュメンタリーだと思います。奥崎みたいな人間はとても肯定できません。犯罪者であり、傲慢で独善的で弱く醜く卑怯です(極限状況からの奇跡的生還者である奥崎を私なんぞがどうこう言う資格はないんですが・・犯罪は良くない。)。彼の行動は、いや、この映画自体、これってはたして意味あんのかな?とも思えてきます。でも、私は別に暴力ふるったり、犯罪を行ってたりはしませんが、自分にも彼と似たりよったりのところ多いな・・と感じられて痛いです。本作は立派な反戦映画でもあります。 |
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