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タイトル名 |
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ |
レビュワー |
ひのとさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-01-09 16:17:27 |
変更日時 |
2004-05-15 20:40:30 |
レビュー内容 |
これは究極の「幸せの青い鳥探し」映画。心の一番奥に存在する泉から湧き出る純粋な感情を垂れ流し続ける、痛々しいまでの愛の物語。その感情はあまりにも純粋なゆえに、猛毒でもあり、凶器でもある。触れる者の心に深く突き刺さり、えぐる。濾過されない剥き出しの感情は、観客に愛の根源について考えさせる。ラスト、文字通り「裸一貫」で出直すヘドウィグの後ろ姿。純粋な思いで世界に向きあうその姿に、喪失感も焦燥感も全て昇華した、魂レベルの諦観と達観とそれゆえの希望を見る。喪失と挫折を知る者だけが前に進むことが出来る。それがきっと真理なのだろう。演劇の見事な映像化を成し遂げた才人、ジョン・キャメロン・ミッチェルに賛辞を呈したい。素晴らしい作品です。 |
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