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御用金 - 眉山さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 御用金
レビュワー 眉山さん
点数 7点
投稿日時 2012-06-28 15:49:50
変更日時 2012-06-28 19:32:27
レビュー内容
とにもかくにも、仲代達矢の武士姿がカッコいい。その立ち居振る舞いに、凛とした芯の強さを感じます。袴姿で刀指してりゃ武士に見える、というわけではないことを実感。対する丹波も、私利私欲が目的の“悪代官”風情ではないところは好感。所属団体のためにこういう発想をするサラリーマンなら、ゴロゴロいそうです。
ただし、仲代が強すぎます。設定はリアリティがあるのに、チャンバラシーンは劇画のよう。それに丹波の側も、仲代を殺したいのか、生け捕りにしたいのか、逃したいのか、ガバナンスが徹底されていない模様。このあたりはウルトラマンや仮面ライダーに通じるものがある。
そして気になるのが、鯖江藩の行く末。仲代をヒーローに祭り上げるだけであっさり終わったけれど、あれだけ重臣や部下を大量に失い、肝心の御用金も奪えず、領民の信用も失い、おそらく幕府にもバレるとなれば、もう破産かお家断絶しかないでしょう。それが領民にとって本当にプラスだったのか、残された家臣やその家族はどうなるのか、よーく考えてみる必要がありそうです。「地獄への道は善意で舗装されている」とは、誰かの名言です。けっこうおもしろかったけどね。
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