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タイトル名 |
39 刑法第三十九条 |
レビュワー |
no_the_warさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2020-03-23 15:38:33 |
変更日時 |
2020-03-23 15:38:33 |
レビュー内容 |
心神喪失者は(たとえ明らかに罪を犯していても)罰しないとする刑法39条に翻弄された人々の、主に法廷での心理サスペンス。東十条の団地で凄惨な殺人事件が起きたが、被疑者は事件当時の記憶がない。弁護士は「心神喪失だから無罪」を主張。被告を精神鑑定する女は、詐病つまり心神喪失は芝居であると直感。裁判の行方は?事件の真相は?罪とは、罰とは何か⁈
「刑法39条は理不尽である」と言いたい映画だと感じた。クライマックス、鈴木京香演じる精神鑑定士小川香深(カフカと読む)が裁判官に訴えるのが以下のようなこと 「精神鑑定は、診断結果と鑑定士の主観でしかない。その程度のもので裁判所は心神喪失を認定する。これって被告の人権を守るどころか、奪うことになるんじゃないか。」 そしてラストの手書き字幕でも、39条は間違いだと言ってるような感じがした。
完全無欠で無矛盾で社会正義が完成してる法体系なんか、ほんとは存在しないだろう。どこかにバグがあるかもしれないと常に点検するのは民主主義の基本であろう。刑法39条についてもそうだろう。
ただ僕は、39条の言ってることは社会正義に適っているとかねてから思っている。 そんな僕に「そうかなるほど、確かに39条はバグだ、正義ではない。考えを改めよう!」と思わせる映画だったかというと、そうではなかった。
映画全体を覆う光加減、やけに目を合わせないでボソボソ喋る演技、めまいのようなグワングワン、法廷で響く論理的なセリフなどなど、雰囲気は大好き。 若い堤真一演じる被告は、職業は舞台役者で、どうやら奥さんから詐病を稽古されている。多重人格を演技するというメタ構造がとても演劇的。 一瞬ハダカになる裁判官たちは、堤真一の目か?それとも鈴木京香の目か?うーんしばらく楽しめそう。 |
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