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タイトル名 |
男たちの大和 YAMATO |
レビュワー |
しまうまさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-01-02 23:17:40 |
変更日時 |
2006-01-02 23:40:37 |
レビュー内容 |
以前に見た戦争系邦画のような政治的メッセージの濃い作品を予想していたが、そういう色を感じさせず、万人に受け入れられるという点で成功している。何人かの方が挙げている「プライベート・ライアン」のような作品だ。ある人は戦争で果敢に国のために散った人々に思いをはせればいいし、子供のような少年たちが一瞬で肉片になってしまう戦争の無惨さに目を向けるのもいい。主人公と思われる反町隆史と中村獅童が下士官で、しかも炊事兵と機関砲手という地味な役回りなのもいい。反町隆史が脱出しながらも仲間を助けるために海にとって返す場面や、言葉だけで死の覚悟を語る少年兵を前に悲しそうに視線をそらす演技も良かった。最後のシーンで、国を守るということにおいて、命を捨てた者も、生き残って真面目に働いて世の中に尽くした者も、その価値は等価なのだ、と思わせてくれる。戦闘シーンは最近の邦画では出色の出来ではないだろうか。主人公が撃たれて息も絶え絶えになりながら最期の台詞をかっこよく言ってから死ぬ場面はない。撃たれれば、一瞬のうちに人は肉塊になる。それを踏み越え、歯を食いしばって生き残ってきたことも立派に国に尽くしたことなのだ、と仲代達矢の顔が語る。映画館は高齢者から若者で満員。英霊がいるという神社に年1回参拝する今の首相は、地道に働いて国を支えてきた中高年サラリーマンや高齢者を医療費負担や増税で締め上げていますけど、戦後の日本を支えてきたのは何もあの世の人だけじゃない。父親はとっくに年金暮らしだけど、少し労りたい気分になった。 |
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