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タイトル名 |
タンポポ |
レビュワー |
神谷玄次郎さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-01-31 20:14:45 |
変更日時 |
2004-01-31 20:14:45 |
レビュー内容 |
伊丹監督の、エンタテイメント指向と悪趣味さが爆発した作品で、他の作品と異質な仕上がりになってはいるものの、オムニバス形式という全体の組み立てなど、「見世物」風なテイストが成功して、一般人の拒絶反応を薄めることに成功している。映画監督という高慢なシェフは、ややもすると自分の主張をふりかざし、身勝手なテーマで「究極の料理をどうぞ」と見せたがるものだが、この作品は、さながら二流ホテルで開かれたパーティーのバイキング料理のようにも見える。冒頭で役所広司が、映画館の観客に語りかけるシーンがあるが、この手の語りかけは伊丹映画では鼻につくものだが、ことこの映画に関して言えば、「ご自由に料理をお楽しみください」というさりげない導入として奏功していると思う。だからこそ、何度見ても飽きが来ない。噛めば噛むほど味が出る。最後のシーンは、赤ん坊がおっぱいを飲むシーンで終わるが、人間は「食」というものを、さも高尚なことのごとく、それに対する理解や知識をもまた品格の序列に用いたりてしているが、何を言っても最初は母親のおっぱいを飲むんだよ、というメッセージが伝わってくるかのようだ。この映画は世界でヒットしたらしいが、役所広司、渡辺謙という、世界で評価を受けた俳優も登場する。やはり俳優のオーラも少なからずヒットに貢献しているだろう。 |
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