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タイトル名 |
菊次郎の夏 |
レビュワー |
日雀さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-08-03 16:54:34 |
変更日時 |
2004-08-03 16:54:34 |
レビュー内容 |
あと一分でも長かったら、あと一つでもギャグが多かったら、「駄作!」と思ったかもしれないが、ギリギリのところで、北野監督の心象風景を垣間見ることができる作品になったと思う。 北野監督は照れ屋で控えめな人だと思っている。だから、バイオレントな作品では容赦が無いのだと思う。一方、「やさしさ」を描く作品においては、北野監督の人物像がそこここに見て取れる。照れ屋で控えめだから、菊次郎がやさしさを表す時にも照れ屋だ。それは、北野氏の役者としての演技力を評価する場合はマイナスポイントになるのかもしれないが、この作品においては、監督としての北野氏は、完璧な演技を役者たちに要求しなかったと感じる。心象風景が、よどみなく流れるものであるべきだとは誰にも言えないだろう。北野氏のそれも、断片をつなぎ合わせるようにして映画という作品に仕上げたのだろうと思われる。だから、役者の半端な演技も、物語がつぎはぎのような印象を与えるものであっても、この作品の主題に影響は無いと言えるのかもしれない。だって、北野監督は、ささやかな「やさしさ」を慎み深く表現したのだから。…ただし…北野監督…世界の北野という地位・名声を知らない人や、日常的に北野氏をTV画面で見る機会の無い人や、私のように北野氏に好感を抱いていない人にとっては、つまらない作品だと評価されても仕方ないだろう。 |
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