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タイトル名 |
バリー・リンドン |
レビュワー |
のはらさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-12-04 14:02:01 |
変更日時 |
2004-12-04 14:05:47 |
レビュー内容 |
今まで私が観た映画の中でも、五本の指に入る美しい映像。この優美な世界で繰り広げられるレイモンド・バリーという男の人生を綴っている。何がすごいかというと、3時間もの間、バリーという男の感情がまるで浮き上がってこない。彼の身の上に起こったことをただただ追っている、単純と言えば単純な物語なのだ。だからといってつまらない訳ではない。細部まで作り込まれた作品で、私は3時間じっくりと見入った。徹頭徹尾客観的な視線で、この悪者というにはあまりに薄っぺらな感じのする男の人生を映し通している。心の見えない主人公相手にはこちらの感情もそうそう動くものではないのだが、それだけに一貫して彼が持つ寂しい空気の表現は見事だったと思う。決闘に始まり決闘に終わるバリーの男としての人生は、ドラマティックなのに流されているような印象も受ける。監督の意図などくみ取る余裕のない私だが、一人の人間の中で流れゆく時間をそのままどんと突きつける方法に、感心し、堪能した。 |
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