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タイトル名 |
サンセット大通り |
レビュワー |
のはらさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2005-07-04 21:46:00 |
変更日時 |
2005-07-04 21:50:50 |
レビュー内容 |
ラストがだいたい分かっているのに、面白くてモノクロの画面に引き込まれてしまった。憐れな女優の物語。「サンセット…」というタイトルと、パラマウントの撮影所でのワンシーンに全てが集約されている。旧知の照明技師が当てたスポットライトによって、スタジオ中の人が「ノーマよ!」と元大女優に駆け寄るが、光が逸れると群衆も三々五々彼女の元から散っていく。太陽が沈んでいくのと同じ、時間が絶え間なく流れるのと同じ、自分の価値が変わっていくことを心の底で判っているからこそ無駄に藻掻いて、見苦しい姿になっていくノーマ。三流の脚本家にまで捨てられ、プライドゆえ狂っていく。人間、プライドなんぞより流れる時間を楽しむくらいの余裕が必要なのだ。もしかしたら彼女はそれにも気付いていたかもしれないけれど…。あの執事も時の囚われ人で、彼をもっと掘り下げて描いたら、いっそう不気味さが益したろう。人間の内面の愚かさを巧みに映像化した秀作。明日は我が身と震えた業界人も多いのでは…。 |
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