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タイトル名 |
ターミナル |
レビュワー |
amさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2005-02-07 03:37:14 |
変更日時 |
2005-02-07 03:37:14 |
レビュー内容 |
うーん。観ている間はよどみなく楽しめたコメディの小品でした。これを小品、なんて言ってしまえるのはスピルバーグだからでしょうけど。ハンクスは若かりし頃のように楽しげにコメディを演じてるし、ゼタ・ジョーンズはちょっと驚くほどなんともキュート。脇役のみなさんもお約束かもしれないけれどそれぞれうまい位置で生き生き描かれるし。でもね。04年のアメリカ映画なんです、これ。その映画がです、ニューヨークの大空港を舞台にこんな能天気でファンタジックなハートウォーミングコメディの形をとることに感じる違和感。もちろん、映画はその映画そのままの大きさで楽しまれ、語られるべきでしょう。映画が語るものをいたずらに大きくしていくことは僕もいいことだとは思いません。そうやって語られる映画はものすごくつまらないですもんね。それに社会性、みたいなものと映画をあまりに強く関わらせていくのは危険だと思うんです、僕。いや。きっとスピルバーグは、今だからこそあえて、ニューヨークの大空港を舞台にこんな映画を創りたかったのかもしれません。そうすることで、アメリカが失おうとしている何かをもう一度取り戻したいのかもしれません。でもね。やっぱり僕には、あまりにものんきで、あまりにも内向きにすぎるように思えるんです。主人公の”約束”が慎ましいものであること、彼の求めた愛が結局は報われないこと。その選択はすごく素晴らしかったと思います。小さな物語にしようとして、実際小さな物語になってます。でもそこに込められたであろう思いまでもが小さく、内側に向かって閉じたものになってしまってる気がします。スピルバーグが描くアメリカは、今もまだ、世界中が淡いあこがれと苦々しさを同時に抱いてる若い20世紀のアメリカです。素晴らしかった頃のアメリカの良心。のんきすぎるんです、それでは。父と子の小さな物語が、世界とひとりひとりの人間との対話につながるようなもっともっと開いた物語を、スピルバーグには描いて欲しい。この手腕と予算があるんだから。そう思っちゃいました。ディテールが素晴らしいだけに余計に。 あ、吉野家ってほんとにJFKにあるのかな?あのセットどれくらいそっくりなんでしょうかね?行ったことある人に聞いてみたくなりました。丸ごとセットだってんだからすごいよね。その力を有効に使って欲しいとアジアの片隅で切に思う訳です。 |
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