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タイトル名 |
チョコレート(2001) |
レビュワー |
ぼんさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-05-16 06:37:26 |
変更日時 |
2004-05-21 11:54:07 |
レビュー内容 |
健全な人間であれば愚考を代が堆積する度に苛立ちを益して活き、先代を反駁するだろう。悪循環の中で心の瓦解を誘発させれば危険な厭世観が訪れ人の無償の愛を渇望するだろう。もしそれが不可能であれば、生きることができない。それが祖父と父の目の前で銃殺した息子なのである。目の前で息子を失った白人男性がこれを境に感情が生まれる。遣る瀬無い心境で奇遇にも同じく息子と哀別した反黒人女性と出逢う。異形の死でも虚空に抜かれた心は同じであるため、懊悩を抑制できないまま感情の相互が享受し合い、感官を充溢させ極限の愛を知ることとなる。しかしその背面には危険ともいえる依存の暗闇が怒濤の勢いで闖入してくる。艱難であればある程それは勢いを増して逝き孤独がもっとも恐れるものとなる。その後では皮肉な境遇を知り分恚しても彼を呵責することはできない。それを揣摩した彼は弁疏なく3つの墓が一望できる段へ彼女を誘い出すのである。それは彼と舅が家族に対し残酷な無為で死なせたことを暗示するものである。茫漠な星影の下で二人は共有のチョコレートを口し、行く末の老練を願う。この映画は今までにない男女の異質で複雑な情交を感佩させる恋愛物語といえる。 |
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