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別離(2011) - 放浪紳士チャーリーさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 別離(2011)
レビュワー 放浪紳士チャーリーさん
点数 8点
投稿日時 2012-06-01 16:25:52
変更日時 2012-06-01 21:23:21
レビュー内容
高校生の頃、トルコ映画「路」を観た時に、ガツンとカルチャーショックを受けた事をふと思い出した。今回は齢40いくつにして、人生初のイラン映画である。そしてまたまた別の意味での強いショックを受けてしまった。ここに描かれている内容自体は、アメリカでも日本でも世界共通どの国でも充分起こり得そうな、非常にわかりやすいごくフツーの中流家庭のオハナシだったから。もちろんお国柄上、宗教価値観の違いで、一筋縄ではいかない展開になっているのが非常に興味をそそられるわけだが。この映画にはいくつかの「?」が観客に提示されている。その「?」によるサスペンスで、中盤からは観客をグイグイと半ば力技的に引っ張っていく。そのうちの幾つかは最後までに明らかにさせ、また幾つかは最後まで種明かしれないまま終わらせてしまう。あまりに説明過多な映画が多い中、観客の想像力に訴えかけさせるような映画は昨今貴重だと思う。しかも決して難解な描き方などしていないのがミソ。「?」を提示する描写も、序盤からさりげなく描かれていて演出的にも巧み。ずっと無表情だった娘が途中から感情をあらわにしたあたりから、映画は加速度的に面白さを増していきましたね。鑑賞後、この映画の中には「食事シーン」がひとつもなかった事に、食いしん坊の私はハタと思い当たる。殆どが屋内シーンだったから、あってもおかしくないはずなのに。これもなんだか考えたらすごく不思議。イラン映画では食事するシ-ンは御法度なんだろうか?すべては観客の判断と想像力に委ねさせるという、この映画の主旨に沿った形でのラストシーンの締め方も自分は好きですね。このラストで1点加算させて頂きます!
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