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タイトル名 |
ミラーズ・クロッシング |
レビュワー |
Fatmanさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2004-03-01 12:29:44 |
変更日時 |
2004-03-01 12:32:00 |
レビュー内容 |
本作のオープニングあたりを観て、どこにでもいるような自己中心的で、長いものには巻かれ、自分の身が危うくなると平気で他人を売るような、頭が良くてどことなく弱々しく陰のある寂しげな裏切り者の主人公トムは、最後にミラーズクロッシングで撃たれて、仰向けになり森の景色が流れ帽子が飛んでいく・・・。というようなラストシーンを個人的には想像したのだが、実際にはトムの見た夢の中のワンシーンであり、彼は例え危機的状況に追い込まれたとしても、自分のことよりもヴァーナや他の人のことを考え最良の選択をしているような男臭くて、もっと奥深く苦悩する人物のようであった。何が正しいか正しくないかの判断は非常に難しいが、脚本がしっかりしているので、主人公に「共感できるか?」と尋ねられると「ウン」と答えられるかは疑問だが、最後に自分で選択し独りになっていく主人公に思いっきり感情移入しながら鑑賞できた。そのため、デイン達とバーニーの死体の確認に行くシーンはナマツバもので、‘ヤバイ’と思ったのは僕だけじゃないでしょう。また、脇を固める出演者のキャラクターも秀逸で、ボスのターミネーターばりの強さ、ヴァーナの男勝りの強さはややもするとトムよりも上のように感じる。個人的には「シャレた服着やがって」や「シャレた口ききやがって」みたいな捨てゼリフがコメディぽくて好きだし、度々ある玄関ドアでのトムと相手とのやりとり、銃撃シーンで流れる「♪ダニー・ボーイ」のメロディが印象深く、間違いなくギャング映画の傑作だと思う。
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