|
タイトル名 |
2001年宇宙の旅 |
レビュワー |
眠い悪魔さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-01-27 01:15:57 |
変更日時 |
2004-01-27 01:15:57 |
レビュー内容 |
ヒトの持つ「感性」と「知性」を、この映画ほど同時に激しく揺さぶる作品があるだろうか? 感じることと考えること。この相反していながらも密接に結び付くヒトの二つの能力を、極限にまで増大してくれる作品。その意味で、音楽でも小説でもなく、まさに「映画」にしかなし得ないことを最も高いレベルで達成した、20世紀の記念碑。「HALの反乱」という直接的な恐怖が表層的な物語を引っ張る一方、「ヒトとは何かを知ってしまうこと」への恐怖がジワジワと深層を浸していく。進化とは奇跡であり謎であり、運命であり偶然であり、善でも悪でもある。キューブリックの映画には、感動したい、泣きたい、笑いたい、怖がりたい、ドキドキしたい、などなどの「機能」を求めない方がよい。そうすれば、そんな予定調和的な見返りの代わりに、「何か」を手にできるかもしれない。ちなみに、アーサー・C・クラークの小説は原作ではなく、言ってみれば解説書とか手引書みたいなものなので、解釈の参考にはなる。もちろん、唯一無二の正解などないけれど。 |
|
眠い悪魔 さんの 最近のクチコミ・感想
2001年宇宙の旅のレビュー一覧を見る
|