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タイトル名 |
プライマー |
レビュワー |
no oneさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2009-05-07 11:20:43 |
変更日時 |
2009-05-07 11:20:43 |
レビュー内容 |
シンプルでコンパクト、それでいて繰り返しの鑑賞に耐える面白さ。監督は数学畑の人らしいが、この映画はそれ自体が一つの数式のようだ。秀逸な公式のような鋭いひらめきと、無駄のない機能美がある。
冒頭の数分で『π(パイ)』という映画を思い出して嫌な予感がしたのだが、杞憂だった。明らかに低予算ではあるけれども、一切の贅肉を削ぐスタイルを取ることで巧みに弱点を補っている。それに一定の美意識に沿って作られているのも確かで、作品を包み込む雰囲気も悪くない。個人的には美しいと感じる下りすらあった。また短い尺の中にも人生の苦味が込められ、単なる味気ないパズルには終わっていない。良質の作品だ。
しかし無駄がない分、観客への親切心もない(!)ので、間口が狭い作品であるのも確かだろう。ミステリ、SFなどのジャンルが好きな方であればおすすめできるけれども、万人受けする類の映画では決してない。観終えたあとにああでもないこうでもないと考えるのが好きな人であれば、きっと楽しめるんじゃないだろうか。 |
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