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タイトル名 |
ブッチャー・ボーイ |
レビュワー |
no oneさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-11-30 23:59:59 |
変更日時 |
2009-09-29 21:16:17 |
レビュー内容 |
主人公の少年はいつもわめいたり悪態をついたりしていて、それこそブタのようにやかましい。でもそれは迷子になった子供が親を探しているときのような、痛ましい混乱と怒りに満ちたもので、結局彼はいつも自分を愛してくれる人を探して迷走していたように思う。彼はこれが「ブタの成れの果てだ」とブタの首を指して言う。誰にも気にかけてもらえず、やがては屠られてしまうブタに重なる彼の姿は、途方もなく孤独だった。ニュージェント夫人に罵られたとき、本当は「お前はブタなんかじゃない」といってくれる誰かが必要だったはずだ。それなのに家族は死に、親友は去っていき、心の拠り所としていた美しい幻想も奪われる。少年の混乱は頂点に達し、破滅へと向かってしまう。しかし、この映画のいいところは単に破滅を描いて終わるのではなく、穏やかなラストを用意していてくれたことだ。彼が成長し、ただ静かに手の中の一輪の花を見つめている姿を見たとき、涙が出そうになった。彼はもうブタのようにけたたましくわめいたりしない、もうブッチャー・ボーイではない。哀れな少年の心にようやく平安が訪れたのだと、救われた思いがした。 |
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