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タイトル名 |
スペースバンパイア |
レビュワー |
no oneさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2009-08-27 21:32:32 |
変更日時 |
2009-08-27 21:32:32 |
レビュー内容 |
( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい! の一言で終わらせようかと思ったのだけれど、せっかくだからちょっとだけ真面目にレビューしておく。このタイトルに真面目にレビューした時点で負けのような気もしますが。
『エイリアン』の脚本家、原作コリン・ウィルソン、音楽にH・マンシーニと錚々たる面子を揃えながら、なぜにここまで安っぽい代物ができてしまったのか? (まあ問うまでもなく監督のせいかなって思うけど)。科学考証無視のおバカSFなのにおふざけで作っているという雰囲気でもなく、恐ろしく力が入っているのが異様な印象。根本的なアイディアがでたらめなのにすごく真面目に作られていて、ロンドンが壊滅する映像なんて無駄に迫力がある。
百歩譲って設定の緩さを許すとしても、これほど主要登場人物をないがしろにした脚本は珍しい。人間ドラマを描けとはいわないけれど、普通は申し訳程度にでもキャラ付けするなり、人間味を与えようという努力が見られるものだが、一切ない。しかも主要俳優陣が信じられないほど地味な顔ぶれ(マチルダ・メイを別として)。それでいて荒唐無稽な出来事が次々と起こる展開にはスピード感があって、案外退屈はしないのだから不思議なものだ。
加えてこれも独特だなと感じたのは、ユーモア感覚の欠如。普通なら作中でおちゃらけた脇役が「お前SF小説の読みすぎなんじゃねえの?」と突っ込むなりして相対化するのが定石だが、そうした台詞が一切ない。それどころかこの滅茶苦茶な事態を誰一人として疑わず、終始大真面目なテンションで乗り切っている。もちろんコメディにする必要はないのだが、これではかえって作品全体がギャグになってしまう。(唯一精神病院で女を尋問する際の「わたしは見るのが趣味なんだ」、という台詞がユーモアっぽかったが、その前の「この女は究極のマゾヒストだ…!」が意味不明すぎてそれどころでない。)
そしてなんといってもマチルダ・メイ。金髪碧眼のplaymate的なステレオタイプだったなら大して印象にも残らなかったろうが、彼女のような容姿はむしろ日本人向けと思う。皆さん冗談半分で言及していらっしゃるが、発表から四半世紀が過ぎたB級映画のヒロインがほぼ満場一致の支持を受けるというのは、それはそれですごいことだ。彼女の魅力がこの映画全体を食ってしまったのだから。ウィキで調べたらコンセルヴァトワールを首席で卒業した方だそうで、なんというか……出演作選べよマジで……。(他の出演作を確認したら『おっぱいとお月さま』だった。気の毒に、この映画でイメージが固定してしまったらしい。)
総じて、稀に見るアンバランスな作品だ。この映画では幼稚さと拙さと、成熟した技術と真剣な情熱、傑出した魅力の女優と地味すぎる出演者たちとが一緒くたになっている。真剣に論じるのは気恥ずかしいが、駄作といって斬り捨てられるのも多少気の毒な、なんとも困った作品。 |
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