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タイトル名 |
BULLY ブリー |
レビュワー |
no oneさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-02-08 02:20:38 |
変更日時 |
2006-02-08 02:26:37 |
レビュー内容 |
唖然。こいつら、アホ過ぎる。"十代の無軌道な…"という形容詞はよく聞くけど、ここまで無鉄砲な連中は想像できなかった。あってないような計画性を元に、ノリで行われる殺人。「あいつ殺すから手伝ってよ」「別にいーよ」って、どんだけ軽いノリだよ?! 見事に神経を逆撫でする登場人物ばかりで、一切の感情移入を許さない。互いに責任を擦り付け合い、どんな刑罰が待っているかも全然わかっていない。犯人の一人は犯行後「たぶん法律か何かで裁かれる」と発言。「法律か何か」ってお前…
主人公以外に美形の俳優はゼロ、ドラマチックな展開はなく、とことんリアルに徹した作りになっている。やりすぎで多少ぐだぐだな感は否めないが、残酷さが際立つ殺人の場面は素晴らしかった。スズメバチのように素早く飛びついては刺すマイケル・ピットが恐ろしい。
それにしても、被害者に同情的に描かれているが、こいつはどう考えてもクソ野郎である。優しい一面や悲惨な家庭環境を描くことで人間的に見せかけているものの、彼は暴行とレイプの常習犯。あきらかに危険な人間であり、正直なところ殺されてもあまり可哀そうだと思えない人物である。
逆に彼がマーティに対して行なった虐待の直接的な描写は少なく、まるで大した理由もなく殺されたかのような錯覚を覚えそうになるが、被害者の悪党ぶりはおざなりな描写でも伝わってくる。どうも加害者から同情の余地を奪い、現実以上の凶悪犯に見せたがっているように感じる。物語が成立する上で最も重要であるはずのボビーとマーティの関係すらきちんと説明されていない。監督は彼らに対する憎悪と侮蔑が先立ち、冷静に事件を理解しようとする姿勢に欠けているように思う。【クロエ】さんが言及なさっている原作の内容が気になる。
ラストで少年らに課された刑の重さには呆れた。年齢や事情を考えれば更生できる可能性は少なくないにもかかわらず、日本では考えられない厳罰処分が下る。社会平和のためでない復讐のための法律である。しかもこの映画ではそれを「ざまあみろ」と言わんばかりに映す。
監督は堕落したティーンエイジャーを憎悪しているんだろうな。かといって彼らのことを深く理解できているわけでもなさそうだ。映画自体は面白かったけど、その点は気になった。 |
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