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タイトル名 |
フレンチ・コネクション |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-12-31 00:28:34 |
変更日時 |
2006-12-31 00:28:34 |
レビュー内容 |
一人の金回りのいいチンピラを尾行したことから始まり、その糸を手繰り寄せていくと、徐々にフレンチコネクションまで繋がっていく過程が、緻密にかつ見事に演出されている。 そのうえ、シェルニエとの緊張感ある尾行劇、殺し屋との壮絶なカーチェイスも加味すると、現代の同ジャンルの作品とも負けず劣らずの高水準にある作品であることは間違いない。だからといって、アカデミー賞作品賞に相応しい作品かどうかは判断が難しいところ。今の時代ではノミネートすら難しいだろう。 余計な説明を極力廃して、あまり本編のストーリーに関係なかったかもしれないが、警察官の麻薬取り締まりの仕事を赤裸々に描き、それが迫力あるために、映像によりリアリティが感じられる。しかし、本作は元警官のノンフィクションを映画化しただけにかなりリアリティを重視していると感じるのに、最後の誤射シーンはいかがなものかと思う。いくらなんでもFBIの捜査官を射殺してしまったら、ただじゃ済まないだろう。一方で、このシーンによって、FBIと地元警察の不仲の関係を表したとか、ポパイの性格(殺人に対する後ろめたさゼロ)や犯人逮捕への情熱を表したという見方もできるが、リアリティを無視して、多少やり過ぎた感が強すぎると思う。誤射を描きたいとしても重傷程度に留めた方がよかったかなと思う。 そして、あの誤射シーンの後に、ポパイは走っていき、一発の銃声が聞こえて、この映画は幕を閉じる。このシーンで、ポパイはシャルニエも殺したんだなと思ったら、その後のテロップでシャルニエは逃走したと書かれていた。確かに、一発の銃声の演出はカッコいいけど、シャルニエに逃げられたのならば自分だったら「銃声」は映画に流さないだろう。そもそも、あの場面でFBI捜査官を殺して、銃を撃つほど近くにいる最重要犯人を捕まえることができなかったのならば、警官としての資質が問われかねないだろう。FBI捜査官はフィクションに対して、逃走されたのはノンフィクションなので、バランスを欠いているという印象。だから、「誤射シーン」もしくは「ポパイが走っていくシーン(銃声なし)」でエンディングを迎えた方が自分としてはすっきりしたかなという気がした。 |
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