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タイトル名 |
ゴッド・アンド・モンスター |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2005-08-20 12:36:04 |
変更日時 |
2005-08-20 12:36:04 |
レビュー内容 |
観終わったあと何とも言い知れぬ感情を覚えた。ありふれた感動とも異なる表現しにくい感情を覚えた。この映画の本質を捉えるのは難しいかもしれないが、非常に「味」のある映画ではないだろうか。 解釈は人によって異なるとは思うが、自分が感じたことを色々と書きたい。 まず、なぜジミーは自殺したのかという点。 「ジミーは脳に障害を持ち正気を保てなくなる前に死を望んだ」という動機は誰でも理解できる。ただ、なぜ睡眠薬一気飲みをためらったのにプールで水死したのか。 それはジミーが「孤独な怪物」のままで死にたくなかったのではないかという気がする。クレイとのやり取りの仲で芽生えた「友情」と言ってよいのか分からない「二人の奇妙な関係」があり、また、自分のために裸になってくれる友、自分のために服を脱がせてくれる友ができ、「孤独な怪物」では「一人の人間」として死ねるからこそ、「死」という選択ができたのではないか。クレイが第一ボタンを外したあとのセリフ「あとは自分でやる」というのは、残りのボタンのことではなく「死」に関してのセリフと受け取った。 また、プールには色々と思い出が詰まっていたからなのだろう。 そしてジミーとクレイの関係。 個人的には、ジミーもクレイも「孤独な怪物」と感じた。その「孤独な怪物」を救ったのもクレイとジミーという「人間」だったようにも映った。孤独な人生から、死という救いへ導いたのはクレイであり、真っ当な人生を送れるように家族を作ろうという気にさせたのはジミーである。二人は互いに互いの人生を変えることができた。映画での二人の関係は非常に興味深い描き方がされている。 この映画の勿体無いところは、「同性愛」という面が目立ってしまうためにやや本質が捉えにくいのかもしれない。テーマとしては、友情、家族、反戦、尊厳死、人生、生き方など実に多くのことを詰め込まれた深い映画だと思う。 ジミーを演じるイアンマッケランがガチンコの同性愛者であり、それゆえ演技が抜群であることが映画に微妙な効果を与えている。 演出も相当に凝っており、他の役者の細かい演技や細かい部分(クレイには本当に盲腸らしき後がある)、音楽も素晴らしい。まさにプロの仕事だと思う。 |
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