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タイトル名 |
アイ・アム・レジェンド |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2008-01-07 01:39:56 |
変更日時 |
2008-01-07 01:39:56 |
レビュー内容 |
息が詰まりそうな緊張感ある展開、地球最後の男の細かい日常的な生活描写、ウィル・スミスの熱演、犬との友情など、見所は多数あるが、ストーリーはそれほど面白いとは思わない。 というのは、本作の根幹にあるのは、“神”の存在・不存在にあるからではないか。この要素が入ると、日本人にはちょっと苦しい気がする。 人類が滅亡し、自分の妻子も失い、神を信じられなくなった主人公が、ラストで“神の声”らしきものを聞いて、自分の使命を確信し、使命を遂げた後に亡くなった妻子の下に帰るというのが本作のテーマである。 なぜ、ラストで手榴弾を放って、自分も助かろうとしなかったのかというと、自分の使命さえ果たせば、自分の命などどうでもいいのである。生き永らえることが彼の目的ではなく、家族の下に向かうのが彼の願いだと考えられる。 家族の下に向かうのが彼の願いだとすると、“自殺”すればいいのではないかと思われるが、そうさせなかったのも“神の意思”だったと解釈するしかない(彼が免疫者だったのも“神の意思”ということになる)。 しかし、本作では、彼は一度“自殺”を企てている。犬(サム)という大切な仲間を失った際、自暴自棄になったウィル・スミスはダークシーカー達を道連れにして死のうとしている。 仲間という唯一の絆を失って、一人では生きていけないと考えたのだろう。あのとき死ぬつもりだったのは間違いない。だからこそ、助けられた朝、彼の様子がおかしかったのである。別に、取っておきのベーコンを食べられたから、様子がおかしかったわけではない。あのとき、女性に偶然助けられたのも、女性が語ったように“神の意思”ということになる。“神の意思”というテーマがある以上、人類が滅亡するわけはないのである。難なく最後に村に到着し、血清を手にした人類はきちんと生き永らえることができるのだ。 逃げずに自分の身を研究に捧げて、自分の使命を全うし、人類を救った彼は“(神の勅命を受けた)伝説の男”となったわけである。 単純なゾンビ系アクションではなく、“神”というテーマを根幹に添えたため、やや面白みを欠いている。 ヘリコプターでの妻との別れの際にも、祈りを捧げており、深い宗教性があるのは間違いないだろう。 前半はその色が薄いので日本人でも楽しめるが、後半はその色が濃くなってくる。単純な映画を楽しみたい日本人には、どう考えても向いていないだろう。 |
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