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タイトル名 |
トイ・ストーリー3 |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-08-31 22:40:15 |
変更日時 |
2010-08-31 22:40:15 |
レビュー内容 |
2D吹替え版を鑑賞。夢のある素晴らしい作品であり、強いメッセージも心に深く刻まれて、ラストは涙を抑えることができなかった。おもちゃ達のアンディに対する愛情と、アンディのおもちゃ達に対する愛情を深く感じることができる。アンディの母親が愛情を込めてアンディを大学へ送り出したように、アンディはおもちゃ達のために別れて、そしておもちゃ達もアンディのために別れていく。屋根裏部屋に押し込んで長年放っておかれて遊んでもらうことのないおもちゃ達を、愛情を込めて遊んでくれる子どもへとアンディは引き継ぎ、そしてアンディが子どもから大人へと変わっていくためにおもちゃ達もアンディに別れを告げる。寂しい別れでもあるが、深い愛情が込められた別れでもある。愛する人を想った別れの美しさに心を揺さぶらされて、感動させられた。長年変わることのない関係ということも必要かもしれないが、それぞれがそれぞれのことを考えたときには、必要な別れというものがあると教えられた。私事において、最近どうしようか悩んでいたことがあったが、本作を見てこういう別れもあるのだと改めて感じ取り、自分も前に進んでみようという気持ちになった。 アドベンチャー作品としても素晴らしい出来栄えである。保育園から抜け出して、さらにゴミ処理施設から抜け出すという取るに足らないようなものなのだけれども、危険な宇宙を旅して、敵の本拠地から脱出するような、とてつもなく広がりを持った“冒険”を堪能できた。シリーズを楽しんだ人にはさらに面白くなるような仕掛けも満載であり、本シリーズ及び各キャラクターに対するピクサー製作陣の愛情を感じられる。 最近のピクサーは失敗できないというプレッシャーからか、普通のアニメ映画とそれほど変わらないようになってしまい、少々残念な気持ちを持っていたが、ピクサーはきちんと期待に応えてくれるだけではなくて、期待以上のものを見せてくれる素晴らしいスタジオだという思いを強くした。 本作を鑑賞した日に、たまたま公共交通機関の中で、小さな女の子2人が本作と同じように人形を振りかざして遊んでいたのを見かけた。普段ならば、気にも留めない光景かもしれないが、人形と遊ぶ彼女たちを見る目が変わったような気がした。これも本作の持つ大きなチカラによるものだろう。おもちゃやおもちゃと遊ぶ子ども達に対する見方を変えるほどのパワーを持つ作品は偉大といえる。 |
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