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タイトル名 |
第9地区 |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-04-13 21:57:04 |
変更日時 |
2010-04-13 21:57:04 |
レビュー内容 |
ドハマりしたわけではないが、比較的好みのテイストに仕上がっている。 ストーリー展開自体には、特別な謎や不可思議な秘密や恐ろしい衝撃があるわけではなくて、他のアクション作品やSF作品とそれほど差異はないように思えるが、良い意味での粗さや雑さが、他の作品とは異なる“新味”を産んでいる。 いい加減で凡庸な設定も多く見られるが、新人監督らしく勢いとブラックユーモアで突っ走ったら、なかなか悪くないものができたようだ。 新人監督に好き勝手にやらせたと思われる彼の親玉のピーター・ジャクソンの度量の広さも窺われる。 また、ラブストーリー、友情、親子愛なども含まれているようで、上手くカタチになっていないような気もした。 しかし、そのような部分に逆に惹かれた。 ハリウッドテイストに精錬されて型にハマッているわけではない部分が本作の魅力といえるのではないか。 計算しているとは思えないが、どこか作り物らしくないリアリティが高まる効果が生じたように思える。 せっかく“友情”のようなものを築きつつあるのに、「3年!地球時間でか?」と聞いて、仲間であるはずのエビちゃんをいきなりぶん殴る辺りは思い切った展開といえる。 そのような扱いをしたエビちゃんを最後は命を張って助けようとするのだから、何かを感じずにはいられない。 子エビちゃんが彼らの関係を繋ぐいい橋渡しになったとも思えないが、「息子のために頑張れ」というような趣旨の発言をしていたので、ある程度は子エビちゃんの影響も感じられる。 きちんと計算しているとは思えないが、ドキュメンタリータッチやインタビュー形式を採用しているので、実は意外と計算し尽くしているのかもしれない。 能力が高そうではない人の良さそうな普通のサラリーマンが主人公というのもあえて狙っているのだろう。 このような思い切りの良さも低予算・無名俳優・新人監督のなせる業だろう。 南アフリカのことも、アパルトヘイトのこともよく知らないので、政治的なメッセージも含まれているのかどうかはよく分からなかったが、鑑賞後にヨハネスブルグのことを調べたら、ある地域の治安の悪さはリアルで映画のままのようだ(映画の方がマシなのか)。 ネタも含まれていそうだが、強盗に遭う確率が150%(2回以上強盗に遭う確率が高い)、赤信号で停まってはいけないという暗黙のルールがあるらしい。 |
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