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タイトル名 |
おいしい生活 |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2006-08-17 22:18:33 |
変更日時 |
2006-08-17 22:18:33 |
レビュー内容 |
アイディアやテーマなどは面白いけれども、その素材の良さを活かさずに、全く面白く調理されていない作品。 捻りもなく、唸らされる深さもなく、アレン監督作としては物足りなく、彼の作品群の中で悪い部類に入るのではないか。 面白くない理由として、まず、テンポが悪すぎると思う。 動きのある銀行強盗ネタを開始30分ほどで早々に切り上げてしまったため、後半が完全に間延びしてしまっている。 銀行強盗は、本作のテーマとはあまり関係ないただの導入部分に過ぎないのかもしれないが、もう少しクッキー屋が繁盛するのと共に、銀行強盗が上手くいかない様子を対照的にじっくりと描いた方がコメディ作品としては動きが出て面白かっただろう。かなり端折ってしまったために、ようやくトンネルを掘り進めたのに、その先には…という面白さが感じられない。繁盛しているクッキー屋なのに、とんでもない音がしたり(クッキーを焼いている音とか誤魔化しているシーンはあったけど)、泥だらけのアレンが場違いなセリフを言って笑わせたりと、もっと展開を広げられそうだった。 また、中盤部分は、もっと金持ち成金主義を皮肉を込めて、さらに毒気を強めて描いた方が良かったのではないか。おぞましいほどのセンスのなさ、組み合わせの悪さ、教養のなさをもっとコミカルに描いた方が面白い。こういう場面では、甚だしいまでの勘違いっぷりを描かないと引き締まらないだろう。あの程度では全然生ぬるく、手ぬるいと思う。 そして、肝心の「お金ではなく、本当の幸せとは何か」ということにお互いが気づくまでの過程がイマイチすぎないか。 お金では品格もセンスも愛も買えない。でも、お金がなくても幸せな生活というのがあるんだよという強いメッセージが伝わってこなかった。 せっかくいいテーマだけにもったいない。オチは悪くはないとは思うが、そこに至るまでの過程がきちんと描ききれていないので、観客にはあまりピンと来ないと思う。 やはり、アレン作品としては、ストーリーに深みがなく、脇役もあまり活きていない。脚本も含めて、ちょっと手抜き作品に感じる。 |
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