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タイトル名 |
地獄の黙示録 特別完全版 |
レビュワー |
六本木ソルジャーさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2006-08-24 00:15:06 |
変更日時 |
2006-08-24 00:15:06 |
レビュー内容 |
カーツ大佐が、死ぬ間際に口にしたHORROR(恐怖)とは、いったい何であっただろうか。カーツ大佐は根っからの軍人だと思う。しかし、ベトナム戦争でのアメリカの戦い方は、キルゴア大佐を見てのとおり、圧倒的な強力の武器を背景に、緊張感の欠けたただの子どものシューティングゲームのようになっている。一方、前線では指揮官不在で命令系統が全く機能していない。「これではアメリカは勝てっこない」と、カーツ大佐でなくても、誰でも感じるのではないか。自分のキャリアを捨てて、グリーンベレーに入隊したとしても、戦況が変わるわけでもなく、軍人としての渇きを潤すことはできなかったのだろう。だからといって、軍を捨てて故郷に戻ることはできない。冒頭のウィラード大尉と同様にもうすでに故郷はなく、ジャングルに戻ることしかできなかったのだろう。「軍」を捨てて、「故郷」を捨てても、軍人である以上、「戦」や「ジャングル」を捨てることはできなかった。自分の頭の中は正常であっても、魂はどんどんと狂っていく。自分の魂が狂っていくさまを、カーツ大佐は冷静に客観的に自分の正常な頭で眺めていたのだろう。それこそまさに「恐怖」なのではないかと自分は感じた。 キルゴアのように「頭」が狂ってしまえば、「魂」までも狂うことはなく楽にいられたかもしれない。フランス人一家は、頭も魂も正常であるけれども、彼らが土地や家族という「根」を張っているから耐えられるのであり、根を張っていないものには、あの苦痛は耐えられないだろう。 だから、ジャングルの奥地に入り込み、自分の王国を創らざるを得なかった。「王」になったとしても、自分の渇きを潤せたかどうかは疑問だ。「たまにおかしなことを言ったり、度を越える」とデニスホッパーが語っていたように、ここにも彼の居場所はなかったのかもしれない。だから、カーツ大佐は「死」を望んだのだろう。自分の死と王国の後始末をウィラード大尉という、本物の「軍人」に頼んだのも、少しは理解できるような気がする。 以上は、自分が感じた全くの個人的な見解であるが、映画としてはあまり面白くないとは思うし、無駄に長すぎる。後半はベトナム戦争とはどんどんとズレていっているようにも感じるので、あまり高評価はしたくない。 |
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