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タイトル名 |
永遠と一日 |
レビュワー |
xr4000さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-05-24 22:30:19 |
変更日時 |
2005-05-24 22:49:12 |
レビュー内容 |
テーマはもちろん「人間の孤独。 詩人、詩人の妻、詩人の母、そして、不法入国の少年、 それぞれの孤独が澄んだ美しい映像とセンチメンタルな音楽の中で響きあう。 誰の孤独に自分を重ねるか? 知り合いの女性は、詩人の妻、と言っていた。 私の場合は、もちろん、「亡命者」、いつでもよそ者、という 詩人の孤独が自分と重なってつらい。 こんな映画には感動できないほうが幸せなのだろう。 人間は一人では生きられない。 しかし人間は一人で生まれて一人で死んでゆく。 人間の言葉は不完全だ。 二人の人間が同じ場所を占めることはできない。 だから人間は孤独だ。 人は死ぬ。人は孤独だ。 人はわかりあえない。 これらは人間の条件であり、どうにもならないことだ。 だから、この地点が出発点なのだ。 だから、人は生きようとする。 群れて、協力してなにかを成し遂げようとする。 なんとか近づき、わかりあおうとする。 どんなに幸せそうに見えても、 人はどうしようもなく孤独なことがある。 仲間に囲まれて幸せそうに見えた詩人の妻の孤独は、 残された手紙によって「発見」される。 そして、(自分だけではなくて)誰もが孤独だ、 ということを普通よりも強く認識するものが、 誰かをほんの少しだけ幸せにすることができる? のかもしれない。 妻の孤独を知り、少年の孤独を知り、 母の孤独を知った詩人は、 病院にはゆかない、と決め、「言葉」で妻を取り戻す、と言う。 彼は残された命をどう使うのか? ラストシーンはお約束どおりとはいえ、やはり号泣ものだ。 映画は詩人の救済を予感させる形で終わる。 でも、その「希望」はどうしてこんなに苦いのだろう? |
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