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タイトル名 |
お嬢さん(2016) |
レビュワー |
ころりさんさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2017-03-22 15:00:16 |
変更日時 |
2017-03-22 15:00:16 |
レビュー内容 |
これは凄い。官能映画ばりのシーンを織り交ぜながらの超一級のサスペンス・エンターテインメント。日本統治下の朝鮮半島で、日本語と朝鮮語が入り交じって展開する物語。ちなみに英語圏で観たので英語字幕付きでした。日本語ネイティヴではない俳優たちの日本語セリフの危なっかしさは、母語ではない支配言語を身につけることを強制された(そして、それを倒錯的に求めた)植民地状況の表現であると思えば、それもまた一つの技法として観られる。キム・ミニ演じる秀子お嬢様の美しさ、キム・テリのスッキの真っ直ぐなところ、詐欺師の狡猾さとタフさ、そして「植民地」を象徴・体現する上月の倒錯ぶり。これらを、まさに力業でエンタメに仕立て上げてしまうパク・チャヌク監督の底力を堪能できる2時間半です。第1部と第2部の描き込み(とくに第2部の密度は凄い)と比べると、第3部がちょっとうまく行きすぎかなと思う部分もあったけれど(とくに精神病棟からの脱出や船の切符購入のあたり)、久々に韓国映画らしい濃密な映画体験を楽しむことができました。エロなシーンも倒錯の描写も手抜き無しで、R18指定も含めてそっちが話題になるのはしょうがないかもしれないけど、それが気になって観ないのなら本当にもったいない本格的な「娯楽映画」です。 |
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