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タイトル名 |
あゝ、荒野 後篇 |
レビュワー |
ころりさんさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2020-04-13 09:08:30 |
変更日時 |
2020-04-13 09:08:30 |
レビュー内容 |
前篇では支離滅裂に感じた群像劇的エピソードは、結局うまく回収されないままだったけれど、信次と健二の二人のドラマに焦点が絞られた分、映画としては見やすくなった。死にそうで死なない健二の父とか、中途半端な3・11の挿入とか、自衛隊がらみの話とか、まだ続いている何かの反対デモ(大半がエキストラだと思うけど、このデモシーンの陳腐さには悪意を感じた)の描き方とかは、前篇同様、物語にとってはノイズの部分のほうが大きかった。これまた中途半端なセックス要員のようなかたちでしか絡んでこない女性たちの描き方もまた、2010年代のドラマとしては気になった。そう考えると、「死」をもって「生」を描くようなラストも、前篇の自殺防止サークルの陳腐な顛末と大して違わないような気もしてくる。要するに、「性」と「死」を描けば「新しい」「革新的」とされた寺山修司の時代とは違ってるわけで、中途半端な政治描写じゃなくて、アップデートすべきはそこだったんじゃないかと思える。そういう気になる要素は山ほどあるのだけれど、菅田将暉とヤン・イクチュンは、前篇よりも、さらに素晴らしい演技を体を張って見せてくれた。とくに、ヤン・イクチュン。この物語の主役は、原作どおり健二だったことが、この後篇を見るとよくわかる。二人のドラマ部分は本当に語りたくなる部分がたくさんあっただけに、ノイズになってしまったその他の部分が本当にもったいない作品でした。 |
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