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タイトル名 |
アメリカン・アニマルズ |
レビュワー |
ころりさんさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2020-12-07 21:39:14 |
変更日時 |
2020-12-07 21:39:14 |
レビュー内容 |
こんなはずじゃなかった感じの大学生活。自分には何かが足りない。そこでハッと出会ってしまった美しい本。その強奪を企てることでだんだん生き生きし始める。ニューヨークに行ったときの解放感と「今を生きてる」感のある表情。でも計画は? なんと古今の犯罪映画から学ぶ。このあたりから何かがおかしい。なぜお前?という仲間が加わり、少しずつ不協和音が見え始め、徐々にことの重大さに気づきはじめる。彼らに一線を越えさせたのは何だろう。その答えは、彼らがあまりにも普通だったからかもしれない。普通じゃないことを求めてしまうことの普通さ。その普通さに真っ直ぐすぎたことで、何度も引き返すチャンスがあるのにそれを逃してしまう。そこには、アメリカン・ニューシネマのようなアウトロー的格好良さも、オーシャンズ的な華麗さも微塵もないけれど、普通の人たちの犯罪物語という意味ではどんな過去の映画よりも「リアル」味があり、そして切ない。あの強奪のシーンの頃には「おバカコメディ」とは言えないくらい感情移入してしまい、一緒に胃に穴が空きそうな時間を過ごし、そしてFBIの突入に少し安堵する。終始登場する「本人」たちも効果的。食い違う証言、みんな少しだけ自分を偽り、事実を虚飾している。それも含めて「普通の人々」の<真実>の姿を厳しくも、でもどこか暖かく包み込む。いやあ、いい映画を見た。 |
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