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タイトル名 |
ダーティハリー |
レビュワー |
michellさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2016-04-07 00:19:59 |
変更日時 |
2020-04-26 07:34:02 |
レビュー内容 |
泥沼化する戦争中のさなか、人権派が発言力を増す1970年のアメリカの状況で 有無を言わさず悪人にマグナムをぶち込むイーストウッドの姿はさぞ爽快だっただろう。 当時のフィルムの特徴なのか、疲弊しきったアメリカの特徴なのかは分からないが 人も含め街全体がピリピリとした殺伐な空気は独特なものがある。
イーストウッドの魅力とともに、やはりマグナム44が印象深い。銃といえば開拓時代からの アメリカのシンボル。だけど生死を分かつ要因が、腕の差より運の要素が強くみえてあっけない。 生死の差がドライすぎる。死ぬときは簡単に死ぬ。
しかし、考えてみれば銃大国であると同時にアメリカは宗教大国でもある。 基本ぶっ放すだけというシンプルな殺人道具である銃に、一神教を重ねてみれば合点がいく。
より厳しい修行を積んだ者が強い、相対的な東洋の英雄像。 技を磨く過程、主人公の成長に魅力やカタルシスを覚える。 敵もまた修行してお互い切磋琢磨し、いつのまにか分かり合う時もある。昨日の敵は今日の友。 善悪ではなく、因果応報による理と理のぶつかり合い。
に対して、生まれながらの才能が絶対的な力を持つ西洋的なヒーロー像。 初めから強い。苦労して強くなるイメージがない。たまに修行の場面があるときはだいたい、 謎の東洋風マスターがあらわる。基本主人公は強い。弱みなどみせないし、 グダグダなやまない。戦って勝つ。敵の弾は当たらない。敵に有無を言わせない。 正義は強い。強いから正義の世界。俯瞰すれば悪すらいない。 正義ともう一方の正義の戦い。勝てば天国負ければ地獄。 この絶対的なカタルシスの背景に、神に選ばれてる感、創造主をイメージするのだろう。 |
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