|
タイトル名 |
悪名(1961) |
レビュワー |
まいかさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2023-01-23 22:18:45 |
変更日時 |
2023-01-24 08:02:32 |
レビュー内容 |
GYAOの無料動画で視聴。とても面白かった。9点! 序盤はケンカばかりで、ただのむさい男たちのチンピラ映画かと思いましたが、女が登場するたびに画面が華やいで色香を増していき、終わってみれば意外なほどモダンな映画だったという印象です。 最初に出てきた中田康子はムンムンと下卑た色気がありすぎでしたが、次に出てきた水谷良重は、不美人ながらも物腰に"しな"があって、とても絵になっていた。とくに二階から屋根づたいに逃げるシーンはスペクタクルとして秀でていました。監督の田中徳三は「手錠無用」でも勝新をピンクのベッドに寝かせていましたが、水谷良重との寝起きのシーンでもピンク色を巧みに使って、勝新を可愛らしく見せていました。中村玉緒も美人じゃないけど可愛かったです。映画のなかでも実生活さながらに婚約してたのね(笑)。 工場の煙突が見える広い空き地の決闘シーンもカッコよかったし、自動車の撮り方なども粋でおシャレだったし、京都嵐山で女二人と別れるシーンも美しかった。 勝新は、同時期の「座頭市」では五十歳前後の貫禄ある中年男を演じてるのに、「悪名」では二十歳そこそこの小柄なあんちゃんを演じてる。まったく別の人間に見えるのがすごいです。角刈りでヒョロっとした田宮二郎はエンピツみたいでした。 シルクハットも含めてヤクザの親分たちはみんな弱っちく、ラストも大乱闘になるかと思いきや、女親分とサシで決着をつけて終幕。それがまた粋な終わり方で洒落ています。なお、地中海を舞台にしたイタリアのマフィア映画みたいに船で島を往来するわけですが、なぜ舞台を因島にしたのか調べてみたら、あの女親分が実在の人物だったのですね。 |
|
まいか さんの 最近のクチコミ・感想
悪名(1961)のレビュー一覧を見る
|