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タイトル名 |
ホテル・ルワンダ |
レビュワー |
王の七つの森さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2006-09-13 20:28:15 |
変更日時 |
2006-09-14 11:10:07 |
レビュー内容 |
見るに値する映画でした。・・・・・・ただ、主人公ポールが、内戦が始まってもパリッとしたシャツを着て、夜になると妻とワインやビールを飲んでいるのに、かなり違和感がありました。川沿いの虐殺を見た後、取り換えたシャツを破り脱ぐところで、彼はそれまでの自分を反省して、ヒューマニズムに目覚めるのかもしれませんが、、、・・・とはいえ彼は、貧富の差が激しいルワンダにあって、欧米の資本から恩恵をたっぷりと受けた最も豊かな階層に属していたわけです。どうしてこういう内戦になるのか。それは激しい貧富の差をそのままにしたり、様々な不満を放置していたからではないでしょうか。・・・・・それが、抑圧的に秩序を維持していた権力が、何かの拍子になくなると、やり場のない不満を抱えていた人たちが、武器をとって突然に荒れ狂いはじめる。あるいは民族だの、人種だの、宗教だのといった単純な原理に訴えて人々を扇動し始める。・・・・・旧ユーゴもそうでした。カンボジアも似たようなところがあります。今のイラクもそうかもしれません。パレスチナもほんのちょっと似ているかもしれません。・・・・・こうなってしまうともう外から救いの手をさしのべることは相当に難しい。助けに行くっていっても、こっちの命も危なくなるのに、どうして助けに行かなくちゃいけないのか、とみんな思うわけです。それにソマリアのようになってしまうこともある。・・・・・ということで、最も豊かであり、妻を射止めるためにワーゲンを賄賂に使ったりするポール自身にも責任の一端はあるのです。この映画は、そうした部分を、酒とシャツを使いつつ、さりげなく、的確に表現していました。映画の製作者は表面的にはポールを英雄に仕立てていますが、心の底では、お前にだって責任はあるじゃないか、ときっと思っています。・・・・・この映画を見て、私たちにできることは、現在、アメリカ化の中で拡大しつつある、日本の貧富の格差を放置しないように政治を見張ることかもしれません。放置すれば、不満を抱えた一部の人が、町中で発砲し始め、家族の誰かが殺されてしまうかもしれませんし、極端な場合は、そういう人たちが政党を作って権力を握ったりするなんてこともあるかもしれません。 |
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