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タイトル名 |
グラン・トリノ |
レビュワー |
王の七つの森さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2010-05-26 21:56:26 |
変更日時 |
2010-05-26 21:56:26 |
レビュー内容 |
イーストウッドの作品はこれまであまり好きではなかったけど、この作品は、ほんとうに凄い作品だと思いました。・・・・主要なテーマは、人生を終えるに際しての赦しのこと、遺すもの。・・・・赦し、贖罪の問題は、非キリスト教徒である私たちにはわかりにくいのですが、イーストウッドは、朝鮮戦争での自分の行為について、どうしたら赦され解放されるのかをずっと悩んできているわけです。彼が問うているのは、教会で制度を通じて与えられる形式的な赦しではなく、真の赦し。・・・・それは最後に果たされました。このシーンは、十字架上のイエスとイーストウッドが重なり合います。・・・・・遺したのはグラントリノ。そしてそれは家族の枠を越え、自分の意思を継ぎうるものに渡されます。・・・・・・それにしても指で拳銃を模すシーンが何度も登場します。イーストウッドが何本も撮ってきた西部劇の数々のシーンを想起させると同時に、この映画の最後のシーンの伏線にもなっています。なんという重層性でしょうか。・・・・・あと何十年か経過したら、ミスティックリバーの方が高い評価を受けているかもしれませんが、イーストウッドの作品を同時代のものとして見てきた私たちにとっては、この作品こそ、彼の最高傑作だろうと思えのるです。 |
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