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タイトル名 |
残菊物語(1939) |
レビュワー |
王の七つの森さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2005-06-17 18:18:04 |
変更日時 |
2005-06-17 18:18:04 |
レビュー内容 |
菊之助が、お徳と芝居の話をはじめてする川端のシーン、びっくりしますね。あの川べりをどんどん、どんどん歩いてゆくのに、いつまでたっても途切れないじゃないですか。、、、、、、それに最後の舟入の情景もいいですね。舟の先に菊之助が堂々と立って、最初は、やや上から見ているのだけど、だんだん菊之助をアップにしながら、カメラを下げ、最後は、まるで水面から撮っている感じで、、、、、これどーやって撮ったんだっっ、みたいに。、、、、、それに最後の30分くらいは、お徳がかわいそうで、なんだかもう涙が止まらない感じです。、、、、、、とはいえ、私は個人的には、山椒大夫、雨月、祇園囃子などの50年代の溝口の方が好きです。、、、、というのは、残菊の場合、最後に父親の菊五郎が、お徳はお前の女房だ、といって、菊之助とお徳との関係を認め、許してしまうからです。、、その時、二人の関係は、父=権威=慣習と融和して、めでたし、めでたし、で、社会的な矛盾は隠蔽され、話全体は単なるメロドラマになってしまう。単なる乳母ではないか、身分が違うぞ、というところから、この悲劇ははじまっているのに、そうした社会的な問題が結局、どこかにいってしまうわけです。、、、、、50年代の溝口なら、社会的な矛盾は矛盾として、しっかり提示したままにするはずです。(戦前ということを考えると仕方ないのかもしれませんが) |
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