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タイトル名 |
猿の惑星:創世記(ジェネシス) |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2011-10-14 18:14:15 |
変更日時 |
2011-10-14 18:14:15 |
レビュー内容 |
「『猿の惑星』の前日談を作ろう」…こんな企画が面白いわけがないのですが、本作はそんな困難な企画を大満足の仕上がりにしてしまった奇跡の傑作でした。監督したルパート・ワイアットなる人物はサンダンス映画祭で絶賛されたスリラー(日本未公開なのでその出来を確認することはできませんでした)を一本撮っただけのド新人なのですが、そんなインディーズ出身の新人がいきなり9000千万ドルもの予算を背負わされ、おまけに映画史に残る名作との比較に否応なくさらされるという重圧の中で、よくぞここまでの作品を作ったものだと感心しました。ジェームズ・キャメロンやティム・バートンですらうまくまとめられなかった企画ですからね、これ。。。本作は大風呂敷を広げず描写の細かさを徹底したことが勝因でした。「創世記」という大層なサブタイトルを付けられてはいるものの、映画の内容は主人公である猿がいかにして人類に愛想を尽かし、猿を組織化したかというだけのものです。前半はシーザーの生い立ちが丹念に描かれ、ついに革命を起こしても、サンフランシスコを突っ切ってゴールデンゲートブリッジの向こうにある森を目指すのみ、すべてが半径数十キロで収まってしまう小じんまりとした物語なのです。そして、この小じんまり感が正解でした。第一作は「惑星」という大層なタイトルとは裏腹に、実に小じんまりとした物語でした。メインの舞台はたったひとつの集落だったし、登場するキャラクターもそれほど多くありません。限定した舞台でのドラマやサスペンスを重視したことが第一作の勝因だったのですが、2001年のリメイクを含む続編はスケールの大きさにこだわる余り、どんどん大味になっていきました。本作はそんな続編の罠をうまく回避しているのです。それでいて、ラストのオチで「創世記」としての面目は保っているのですから、これぞ第一作の精神を受け継ぐ素晴らしい続編であると思います。 |
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