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タイトル名 |
スター・トレック/イントゥ・ダークネス |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2013-08-26 00:51:38 |
変更日時 |
2013-08-26 00:51:38 |
レビュー内容 |
IMAX-3Dにて鑑賞。舞台の奥行きや高さを用いたアクションが多く、3D効果を実感しやすいアトラクション映画として仕上がっていました。IMAX料金を払うだけの価値のある作品だったと思います。。。 前作で世界観やキャラクターの紹介が終わり、新シリーズもいよいよ本格始動となった本作。序盤から見せ場はフルスロットルであり、宇宙のインディ・ジョーンズとも言える状態となっています。「対話による平和が真髄のスタートレックにおいて、このバカ騒ぎは何だ?」と見る向きもあるようですが、ここまでサービスしてもらえればお腹いっぱい。娯楽作としては十分すぎる程の出来だと言えます。。。 もちろん、本作にも真面目なテーマはあります。本作はリーダーシップ論を描いた作品であり、多くのクルーの命を預かった艦長として、どう意思決定するのかという命題がカークに突きつけられます。規則に縛られ過ぎても良くない、かといって場当たり的でも良くない。こういうサジ加減の難しさは現実社会で多くの方が味わうものであり、ドラマ部分もなかなか侮れない内容となっています。さらには、本作の敵をカーンとしたことも、このドラマの意義をより深める要因のひとつとなっています。本シリーズはリメイクでもリブートでもなく、旧シリーズのパラレルワールドという位置づけにあります。そこにきて、旧シリーズでもお馴染みのカーンが姿を現し、我々が知っているカーンとはまるで違う行動をとりはじめることで、観客の我々にとっても、映画がどの方向に転がるのかが読めなくなるのです。この手の娯楽作の難しさは、主人公が勝つという結末が見え見えであるために観客を騙すことができないという点にあるのですが、本作ではカーンというキャラクターを効果的に用いることで観客に先読みをさせず、ひとつひとつの意思決定がどんな結果をもたらすのかを固唾を飲んで見守るという構図を作り上げています。この発想は見事と言う他ありませんでした。。。 さらに、連邦とカーンの関係は米国とウサマ・ビン・ラディンを想起させるものであり、現実社会の出来事を内容に反映させたことで、映画には奥行きが出来ています。宇宙船が都市を破壊するクライマックスは、まんま911だったし。娯楽作であってもきちんとテーマを掲げるという点において、やはりハリウッドは突出していると思います。 |
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