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タイトル名 |
LUCY ルーシー |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-05-17 01:47:14 |
変更日時 |
2015-05-17 01:47:14 |
レビュー内容 |
B級素材のジャンル映画に一流俳優を出演させることで独特の味わいを作り出すフランスの映画製作会社・ヨーロッパ・コープ。その総帥であるリュック・ベッソン自らが脚本・監督を務めた本作は、従来以上に闇鍋感溢れる怪作に仕上がっています。これは21世紀の『未来惑星ザルドス』。ツッコミどころは多くあれど、その試み自体は評価したいという気にさせられます。 まず凄いのが本作の脚本。ヤクザと警察の戦いが描かれる犯罪アクションと、人類はどこまで進化するのかというSFを同居させるという、常人では逆立ちしても思いつかない、仮に思いついたとしても、どうやって両者を結びつけて一つのお話にまとめればいいのかが分からないという二つの要素を強引に折衷してみせた闇鍋感。結局は話をうまくまとめきれずとっ散らかってしまっているのですが、その不完全ささえも作品のかわいげに転化してしまうという卒のなさには感心しました。 ベッソンが重きを置いているのは明らかにSFパートなのですが、この部分がどうしようもなく出来が悪くて、一方で犯罪アクションのパートがなかなか面白くできているという捻れた仕上がりも興味深く感じました。『フィフスエレメント』を見れば分かる通り、この人はSFには向かないのですが、それでもSFをやりたいんだというジャンルに対する愛情を感じましたね。犯罪アクションは、チェ・ミンシク演じるヤクザの組長がとにかく素晴らしかった。登場場面から狂犬ぶり全開。警官隊がいる前でも堂々と銃の準備を始めるなど、ナチュラルボーンキラーな雰囲気が最高でした。その後、どうやっても勝てないレベルにまで進化したLUCYに戦いを挑んでいくという気の毒な役回りを演じるのですが、最後までLUCYに食い下がろうとするド根性には感服いたしました。 もうひとつキャスティングに関しては、LUCY役を演じるスカーレット・ヨハンソンが良かったですね。頭が弱く運も悪いギャルとして登場し、その後はバトルヒロインを経て、最終的には人間という枠を飛び越えてしまう難役を見事に演じきっています。他の女優さんでは、ここまで幅のある演技は難しかったのではないでしょうか。 |
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