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タイトル名 |
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク |
レビュワー |
ザ・チャンバラさん |
点数 |
2点 |
投稿日時 |
2009-12-30 14:26:33 |
変更日時 |
2009-12-30 14:26:33 |
レビュー内容 |
カラーパープルで挫折を味わった後、スピルバーグは自身のキャリアを意識的にコントロールするようになりました。勝負作に挑む時には、自身の才能をもっとも活かせる娯楽作を抱き合わせて保険をかけるようになったのです。この方針に従い、シンドラーのリストにはジュラシック・パーク、ミュンヘンには宇宙戦争、そしてプライベート・ライアンには本作ロストワールドが抱き合わせで製作されました。特にプライベート・ライアンは同時期にアミスタッドもあって3本連続撮影という尋常ではないスケジュールで製作されているため、その中で最もお仕事感の強いロストワールドの品質が悪くなってしまったのも、当然と言えば当然の話です。ここまで登場人物に感情移入できない映画も珍しく、「恐竜が出てくればそれでいい」という製作陣の投げやりな姿勢が丸見えになっています。第一作当時、スピルバーグが「もっとも気に入っている」と言っていたマルコム博士がまるで別人になっているのが良い証拠。荒れた私生活を送る変人だったマルコム博士が、続編では子供と彼女に振り回される常識人になっていて、むしろ対照的だったグラント博士に近い人格となっています。好みのキャラが続編で別人格になっていて黙っている監督がどこにいるでしょうか。スピルバーグが脚本にほとんどダメを出さず、やっつけで撮影したことが伺えます。その他の登場人物はさらに酷く、ギャンギャン騒いで目障りなだけのジュリアン・ムーア、恐竜を檻から出して大勢の死人を出す直接の原因を作りながら、なお綺麗事を言うのをやめないヴィンス・ヴォーン、ただひたすら鬱陶しいマルコムの娘などは、まとめてT-REXに食われて欲しいと願うほどでした。あまりにムカつき過ぎて、こんなありえないキャラクターを出すには、何か伝えたいメッセージでもあったのではと裏の意味を考えてしまったほどです。目的が正しければ他人に迷惑かけてもかまわないと考えてる連中はロクなもんじゃない。「自分達が自然を守る」と考えるのは、「自然をコントロールできる」と思ってる連中と根は変わらないじゃないかと。恐竜をどうする、自然をどうすると上から目線で島を眺めず、このサバイバルは人と恐竜との殺し合いであるとの覚悟を決めているローランドが本作中唯一かっこよく描かれているのも、そんなスピなりの思想を反映しているような気もします。私の考えすぎのような気もします。 |
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